半農×半ピラティス通信
『枠を外す』 2020.9.18.
遡ること、2014年のことです。
それまで人生の大半と思えるほどの時間を費やした仕事一辺倒の生活から離れ、初めて完全充電の日々を送っていました。その空白のスペースに新鮮な風が通るように、Yukaさんのピラティスと「Yoga & Pilates BAMBOO」に出会いました。
ピラティスによって「再生した」と思えるような自身の変化を味わいました。長年の生活習慣や考え方まで変わり、心が満たされた日々はとても平和で、幸せでした。
そんな当時、まだ未来がまっさらだった私に、Yukaさんがひとつ考えるきっかけをくれました。
それは「ENMAカード」といって、シンプルな文字だけが書かれた36枚あるカードから、1枚を引きます。そこに書かれている文字から感じることを、9つの質問で自分に問いかけていきます。
私が引いたカードに書かれていた文字は、『枠』でした。
文字から、最初に思い浮かんだことは? 「外す」でした。
それ(枠)があるとどうなりますか? 「元の自分に逆戻りする」
それがないと? 「どこまで広がれるだろう」
それを持っている人は誰ですか? 「私」
それがあると心地いいのは何故ですか? 「安心感がある」
それがなくて心地悪いのは何故ですか? 「何も起こらない、変わらない」
それが具体的に指すものは何ですか?「可能性」
それがどうなっていたら最高ですか? 「外れやすい」
そのために出来る小さな一歩は何ですか?「怖がらない、訪れた機会に乗っかる」
『枠』の文字から、最後に私が出した答えは、
「これまでの経験、価値観(常識)、囚われを外す」でした。
その答えに背中を押されるように、翌年の秋、私はピラティスインストラクターとしての一歩を踏み出すことになりました。
以来5年間、週3回ほぼ休むことなくコツコツと定期クラスを続けてきました。とても拙い指導で始まった私のクラスにも、ピラティスを気に入ってくださった方々が少しずつ増えて、継続してくださいました。皆さんが変化していく姿がいつも嬉しく、私も励まされる思いでした。ご一緒した時間の積み重なりによって今の私が形作られていると感じます。
毎日が概ね順調に思えていた矢先、コロナによる定期クラス自粛で突然空白の時間が訪れました。
当初は戸惑いました。でも、一旦立ち止まって自分に問いかける時間が与えられた気もしました。
振り返ると、これまでクラスに参加してくださった方々には、運動器疾患など身体の不調を抱えている方が少なからずいらっしゃいました。膝の手術や人工股関節手術後のセルフリハビリの方をサポートさせていただいたこともあります。そして私自身もまさに加齢による心身の変化の過渡期、日々それを実感しています。
そんな経験もあり、これからは特に中高年の運動器疾患の症状やメンタルヘルスにも対応できるピラティス、ひとりひとりの心身の状態を見つめて必要なプログラムをご提供するピラティスの「運動療法」としての可能性、未病・予防のためのコンディショニングを、私の目標軸にしたいと考えるようになりました。
もう一度、『枠』を外す時なのかもしれない。自分の中で、何か抑えていた気持ちが動き出すのを感じました。
そのための具体的な一歩として、今年から身体に関わる新たな分野「カイロプラクティック」を学んでいます。新たな知見を経て、いつの日か、ピラティスとカイロプラクティックを融合したプログラムや拠点を、そんなイメージも湧いてきています。
これまでの『枠』を外して、心と行動の赴くままに。さぁ、どんなふうに広がるだろう? 今はそんなワクワクした気持ちでいます。